• 一人ひとりが考えて
      行動する力が強さに!

      埼玉県のある中学校のバスケットボール部は、全国大会優勝経験のある強いチームです。部活動の中で大切にしているのは、「自主性」と「コミュニケーション」。広い練習場所はなく、練習時間は長くて一日2時間ですが、先生からアドバイスをもらいながら、部員たちで調べたり、話し合ったりしながら練習方法を決め、限られた時間の中で集中して練習します。部員同士や先生とのコミュニケーションの中で、自分で考えて行動する力が強さにもつながっています。

    • 「勝つこと」ではなく、
      「子どもの将来」を一番に!

      大阪府のある少年野球チームは、卒業生がプロの選手として今も活躍しています。2年連続全国大会で優勝するなど、前から強いチームでしたが、練習中のけがが原因で、卒業後に野球を続けられなくなる子どももたくさんいました。そこで、練習時間や1回の試合で投げるボールの数などにルールをつくったり、失敗をこわがらずにプレーできる環境づくりに取り組んだりしています。今も全国大会で優勝する強いチームですが、前より選手たちの表情は明るくなり、楽しそうにスポーツをする姿が増えてきています。

    • 相手をたたえるセレモニー

      「相手をたたえるセレモニー」をしているホッケー大会があります。試合後すぐに、対戦した選手全員と指導者、審判員が集まり、相手のチームの良いところや参考になったことを、みんなが自分の言葉で伝えあいます。この活動を通して交流を深めることができ、ほめられることが自信につながり、相手の良いところをみつけて自分の言葉で伝えることがチーム全体の成長にもつながっています。

    • スポーツをする子どもと、
      スポーツの未来のために

      全国で初めて、1回の試合で投げるボールの数にルールをつくった県の野球連盟があります。きっかけになったのは、県内の団体の活動です。医療(いりょう)団体と協力して成長期とスポーツに関する様々な情報をまとめた「野球手帳」をつくったり、講演会やイベントの開催やアンケート調査などを行ったりしています。その活動を通し、子どもたちのけがや障がいを防ぐだけでなく、スポーツの力を信じ自分で考えて行動できる選手や指導者が育つことを目指しています。

こんな取り組みを
している国もあるよ

  • ノルウェー

    ノルウェーはヨーロッパの北にある小さな国ですが、冬のオリンピックでこれまでに取ったメダルの数は、世界1位です。ノルウェーでは30年以上前に、子どもの意見・声を大切にするための宣言がされ、そこには「安全なトレーニング環境に参加する権利」「友情と団結を育むトレーニング・競技に参加する権利」など、7つの権利が定められています。また、子どもの体がつかれすぎたり、心が傷つくことがないように、参加できる大会に年齢制限をつくったり、保護者のためのガイドラインをつくったりしています。

  • ニュージーランド

    ニュージーランドは、ラグビーが強いことで有名ですが、他にも、夏のオリンピック競技で、たくさんのメダルを取っています。ニュージーランドでは、「スポーツは楽しみであり、挑戦であり、成長であり、友人との楽しみの時間である」という考え方にもとづいて、子どもがいろいろなスポーツを経験して、他の競技でも生かせる技術や自分で決める能力を身につけることなどがとても大切なものとして考えられています。

もっとくわしく知りたい人は
この本を読んでみよう

  • 『ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」実践のヒント』

    日本ユニセフ協会
    「子どもの権利とスポーツの原則」起草委員会編
    【出版社】 明石書店

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