日本プロ野球選手会も賛同
「子どもの権利とスポーツの原則」
2020年6月追記
日本プロ野球選手会、原則の趣旨に沿った子どもたちへの支援を決定
日本プロ野球選手会が昨年12月の「子どもの権利とスポーツの原則」賛同の発表に合わせて決定した、 経済的な理由で興味があっても野球を始められない子どもへの支援の内容が、6月15日、発表されました。
「ドリームキャッチプロジェクト」と名付けられたこの取り組みでは、
来年4月に小学校4年生となる子ども24人を対象に、パートナー企業の協力を得て、バット・グラブ・シューズ、および年間3万円×3年間の奨励金が提供されます(募集開始は今年9月、支援開始は2021年4月)。
プロジェクトの名前は、事前に一般公募していた候補の中から、15日の理事会に出席された選手の投票により決定されたそうです。
この支援は、ユニセフの掲げる「子どもの権利とスポーツの原則」の趣旨に沿ったもので、
松田理事長も、この応援の仕組みをもっと大きくしていきたいと抱負を語っていました。
(日本プロ野球選手会ウェブサイトより)
すべての子どもたちがスポーツを楽しめる環境の実現を訴えるユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」に、プロスポーツ選手会としてはじめて、一般社団法人日本プロ野球選手会が賛同を発表しました。
スポーツにおける子どもの権利を明示
ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」は、日本ユニセフ協会が、ユニセフ本部や国内外の専門家、日本スポーツ協会や日本オリンピック委員会をはじめとするスポーツ団体統括5組織の協力を得て作成。スポーツにおける子どもの権利を明示するユニセフ初の文書として2018年11月20日に発表しました。
10項目からなる「原則」は、すべての子どもの成長と発達を助ける機会としてのスポーツを普及し、スポーツの中で、子どもたちが暴力や身体への過度な負荷等のマイナス影響を受けることがないように、スポーツ団体(チーム)やスポーツに関わる教育機関、指導者、スポンサーや助成機関としての企業、保護者、成人アスリートなど、子どもとスポーツに関わるすべての人が協力し取り組んでいくための行動指針を示しています。
子どもたちの憧れの存在として
2019年に開催されたプロ野球の公式戦は、858試合。オープン戦やオールスター戦、チャンピオンズリーグや日本シリーズも加えると4桁にも迫るそのすべての試合会場=スタジアムには、毎回、数千、数万ものファンが駆け付けます。しかし、「子どもの権利とスポーツの原則」の作成と普及に協力してくださっているスポーツ関係者によれば、日本の少年野球人口は少子化を上回る勢いで減っているとのこと。
野球ファンや野球界のみならず、広く日本のスポーツ界に本原則のメッセージと、成人アスリートとしてのプロ野球選手の思いを伝えるために開かれたこの日の記者発表では、直前に開催された定期総会をもって選手会理事長を退任された大島洋平選手(中日ドラゴンズ)が、「子どもたちが純粋に楽しいと思える形で、野球をはじめるきっかけをつくりたい」と挨拶。子どもたちの憧れの存在である成人アスリートの集団としてのプロ野球選手会が「原則」に賛同する意義を説明されました。
野球をはじめるきっかけをつくりたい
2019年シーズンの開幕に先立ち、日本プロ野球選手会は、適切な指導方法の普及のための指導者ライセンス制度の導入や、野球をする子どものたちの怪我防止のための育成ガイドラインの設定、家庭の事情で野球ができない子どもたちを応援する仕組みづくりなどの方針を「選手会ビジョン2019~魅力ある野球界のための好循環を目指して」にまとめられ、この方針に基づき、7月の理事会でユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」への賛同を決定されました。
「自分も大きな関心を寄せてきた「ひとり親家庭」(の子どもたちに野球の機会を提供する)支援も具体化しました。これからも、(「子どもの権利とスポーツの原則」にも謳われているように)いろいろな声に耳を傾けて、野球を広めていきたい」と語られたのは、選手会会長の炭谷銀仁朗選手。
松田宣浩選手も、「選手会として子どもたちが野球を続けられる環境にも目を配っていきたい」と、新理事長としての決意を述べられました。