その指導、子どものため?
ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」実践のヒント
2020年6月発刊
2018年11月に、日本のスポーツ界の皆さまとともに発表した、ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」。この度、その内容を保護者、指導者や一般の方々に紹介し、現場での実践のヒントを提供する書籍が、出版される運びとなりました。
ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」~ 実践のヒント
当協会と「原則」の起草と普及にご協力いただいている弁護士の方々が共同編集した『ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」実践のヒント』(明石書店発行)は、「原則」について、より多くの方々、特に、子どもとスポーツに現場で関わられている方々にお伝えしたい、という思いから企画。前半は、スポーツ界、教育界、パラスポーツ界の専門家の方々による「原則」の意義や、その背景となる現状などについての解説で構成しています。
後半では、様々な立場や競技で子どもとスポーツに関わる方々から、「限られた時間の練習で大丈夫なのか」「うちの子がなぜ試合に出られないのかと保護者に問われたら、どう対応するのか」「子どものスポーツ障がいをどう予防するのか」といった課題に対して、ヒントとなる具体的事例や考え方を紹介していただきました。また、子どもの声を聴くことや、スポーツを楽しむことに重きを置く海外の事例も取り上げています。
最終章には、「原則」発表の際も立ち会っていただいたスポーツ庁の鈴木大地長官、メジャーリーグ筒香嘉智選手、女子サッカー大滝麻未選手の対談を収録。子どもたちの将来を見据えた指導とは。勝利を追い求めるだけでなく、子どもたちがスポーツを通じてスポーツマンシップやリーダーシップを学び、心からスポーツを楽しめる環境づくりとは。スポーツをするための多様な選択肢があることの重要性、等々・・・大変示唆に富むやりとりが展開されています。
ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」は、年齢に適した遊びやレクリエーションの権利も定めた「子どもの権利条約」に則り、競技としてのスポーツに取り組む子どもたちだけではなく、レクリエーションや体力づくりの目的でスポーツをする子どもたちの権利を推進するツールでもあります。子どもたちの指導に関わられている方々、お子様がスポーツに打ち込んでいらっしゃる保護者の方々を含め、多くのみなさまに、ぜひお手に取ってみていただければ幸いです。
本書籍の詳細は、明石書店 公式ホームページをご覧ください。
ユニセフ「子どもの権利とスポーツの原則」~ 実践のヒント
その指導、子どものため?おとなのため?
「子どもの権利とスポーツの原則」起草委員会・日本ユニセフ協会[編](明石書店)
- プロローグ(日本ユニセフ協会)
- I「子どもの権利とスポーツの原則」とは?
- 1「子どもの権利とスポーツの原則」誕生の背景と概要(日本ユニセフ協会 広報・アドボカシー推進室)
- 2スポーツ界から見た「子どもの権利とスポーツの原則」(山崎卓也・高松政裕)
- 3「子どもの権利とスポーツの原則」から見た運動部活動の安全と課題(内田良)
- 4インクルーシブとダイバーシティを謳う「子どもの権利とスポーツの原則」(マセソン美季)
- II「子どもの権利とスポーツの原則」実践のヒント
- 5限られた時間の練習で大丈夫?:全国有数のバスケットボール強豪校の顧問に聞く(飯田研吾)
- 6「うちの子が、なぜ試合に出られないか」にどう応える?(土屋裕睦)
- 7「投球制限」だけじゃない(石川智雄)
- 8指導者にルールはないのか?(野瀬清喜)
コラム 勝利至上主義から子どもの将来を一番に考えた指導へ(阪長友仁) - 9企業だからできること:株式会社アシックス 担当者に聞く(日本ユニセフ協会 広報・アドボカシー推進室)
- 10こんなやり方でもエリートは育つ:ノルウェーとニュージーランドからの報告(山崎卓也・飯田研吾)
コラム 相手をたたえるセレモニー:全国スポーツ少年団ホッケー交流大会の取り組み(日本ホッケー協会スポーツ少年団部会)
- III[対談]スポーツには勝利より重要な価値がある(鈴木大地×筒香嘉智×大滝麻未)
- 付録
- 子どもの権利とスポーツの原則
- 「子どもの権利とスポーツの原則」アセスメントツール
- エピローグ(山崎卓也)